ゲーミングPCのアップグレードや新規購入で、GeForce GTX 1660 TiとRTX 3050のどちらを選ぶべきか迷っていませんか?
1660tiと3050の比較は、価格帯が近いだけに非常に悩ましい問題です。
Gtx1660tiの性能比較は、発売から時間が経過した今でも根強い人気があります。一方で、RTX 3050はエントリーモデルながらDLSSなどの新機能に対応している点が魅力です。
また、1660 superと3050の比較や、RTX2060の性能比較において3050がどのような位置づけになるのかも気になるところです。最近では、仕様が大きく異なるRTX 3050 6GBと1660の比較も話題に上がっています。
デスクトップ版だけでなく、Gtx1660tiやrtx3050のモバイル版、つまり1660 ti mobile vs 3050 mobileの性能差も、ノートPC選びにおいて重要な比較ポイントです。
さらに、1660Tiから3060や4060へのアップグレードを検討している方や、RTX 3050とRTX 4060の比較で悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、GTX 1660 TiとRTX 3050の様々なモデル(デスクトップ版、モバイル版、6GB版)の性能を、ベンチマークや後継モデルとの比較を交えながら詳しく解説します。
- GTX 1660 TiとRTX 3050 8GBの基本的な性能差
- RTX 3050 6GBモデルとオリジナルの違い
- ノートPC向け(モバイル版)の性能比較と注意点
- 1660 Tiからのアップグレード候補(3060・4060)
本記事の内容
1660ti 3050 比較【デスクトップ版】
- Gtx1660tiの性能比較と位置づけ
- 1660 superと3050の性能差
- RTX 3050 6GBと8GBの比較
- RTX2060の性能比較と3050 8GBモデル
- 1660tiと3050の比較:ベンチマーク
Gtx1660tiの性能比較と位置づけ
GeForce GTX 1660 Tiは、2019年2月に発売されたTuringアーキテクチャを採用するグラフィックボードです。NVIDIAの歴史において、前世代の「Pascal」アーキテクチャ(GTX 10シリーズ)から大幅な効率向上を果たした世代にあたります。
このGPUの最大の特徴は、RTXシリーズからレイトレーシング機能(RTコア)やAI処理機能(Tensorコア)を省き、純粋な描画性能(ラスタライゼーション性能)に特化させた点にあります。この戦略により、当時のミドルレンジ市場で非常に高いコストパフォーマンスを実現しました。
発売当時は、GTX 1060 6GBの正統後継モデルとして、フルHD(1080p)環境でのゲーミングにおいて絶対的な地位を確立します。VRAM(ビデオメモリ)は6GBのGDDR6を搭載しており、当時の主要なAAAタイトルを高品質設定で快適にプレイできる性能を持っていました。
現在ではレガシーな製品となりましたが、eスポーツタイトル(Apex Legends, VALORANTなど)や少し前のゲームであれば、設定を調整することで今でも十分に通用する性能を持っています。しかし、DLSSやレイトレーシングといった最新の描画技術には一切対応していない点が、RTXシリーズとの明確な境界線となっています。
GTX 1660 Tiの立ち位置
GTX 1660 Tiは、「GTX」の名を冠する最後の世代の高性能モデルの一つです。RTX機能は不要で、とにかくフルHDで高いフレームレートを求める堅実なゲーマー向けの製品でした。当時の競合としてはAMD Radeon RX 590などが挙げられます。
1660 superと3050の性能差
GTX 1660 SUPERは、GTX 1660 Tiの直下に位置づけられるモデルです。CUDAコア数(1408基)は1660 Ti(1536基)より少ないものの、メモリに高速なGDDR6(14Gbps)を採用したことで、結果として1660 Tiに迫る性能を持つ、非常にコストパフォーマンスの高いGPUとして評価されました。
このGTX 1660 SUPERとRTX 3050 8GBモデルを比較すると、RTX 3050 8GBの方が総合的に優れていると結論付けられます。
主な理由は、RTX 3050がより新しいAmpereアーキテクチャを採用しており、CUDAコア数が2560基と大幅に多いためです。純粋な描画性能(DLSSオフ時)でも同等以上のゲームが多く、さらにRTX 3050には決定的な強みがあります。
それが、DLSS(ディープラーニング スーパー サンプリング)への対応です。これは、AIを活用して低い解像度で描画した映像を、高解像度(ネイティブ解像度)に匹敵する画質にアップスケールする技術です。DLSSを有効にすることで、GTX 1660 SUPERでは描画が重いゲームでも、RTX 3050ならフレームレートを大幅に向上させることが可能になります。
メモリバス幅の注意点
GTX 1660 SUPERのメモリバス幅は192-bitですが、RTX 3050 8GBは128-bitです。このため、DLSSを使わない素の性能では、ゲームの設計(特にメモリ帯域幅を要求するもの)によって1660 SUPERが健闘する場面もゼロではありません。
しかし、VRAM容量(3050は8GB、1660 SUPERは6GB)のアドバンテージや、DLSS対応の有無を考慮すると、RTX 3050 8GBの方が圧倒的に将来性が高いと言えます。
RTX 3050 6GBと8GBの比較
2024年に入ってから市場に登場した「RTX 3050 6GB」モデルは、購入時に絶対に注意が必要な製品です。
このモデルは、オリジナルの「RTX 3050 8GB」モデルとは名前が同じだけで、中身は全くの別物と言えるほど仕様が大幅に削減(ダウングレード)されています。これは消費者を混乱させやすい、非常に紛らわしいネーミングと言わざるを得ません。
| 仕様 | RTX 3050 8GB (オリジナル) | RTX 3050 6GB (廉価版) |
|---|---|---|
| VRAM | 8GB GDDR6 | 6GB GDDR6 |
| CUDAコア数 | 2560 | 2304 |
| メモリバス幅 | 128-bit | 96-bit |
| TDP (消費電力) | 130W | 70W |
具体的には、VRAMが減っただけでなく、CUDAコア数も削減されています。さらに致命的なのがメモリバス幅が96-bitにまで狭められている点で、これが深刻なボトルネックとなり、性能が大きく低下しました。
結果として、RTX 3050 6GBモデルの性能は、GTX 1660 TiやGTX 1660 SUPERよりも明らかに低く、場合によってはGTX 1660(無印、GDDR5メモリ版)とほぼ同等か、それ以下になるケースもあります。海外のレビューでは「5年前のGTX 1660 Tiに完敗する」と酷評されるほどです。
RTX 3050 6GBの唯一の利点と用途
このモデルの唯一の利点は、TDP 70Wという圧倒的な低消費電力にあります。これにより、多くのモデルでPCIe補助電源コネクタ(6ピンや8ピン)が不要です。
DellやHPなどのメーカー製スリムPCや、古いオフィスPCは、電源ユニット(PSU)の容量が小さく、補助電源ケーブルが備わっていません。そうした特殊な環境で、内蔵グラフィックスよりは高性能なGPUに(性能は妥協して)アップグレードする最後の手段としてのみ、選択肢に挙がる製品です。
RTX2060の性能比較と3050 8GBモデル
RTX 2060は、GTX 1660 Tiと同じTuring世代のGPUです。しかし、RTXの名が示す通り、DLSS(バージョン1.0/2.0)とレイトレーシングに初めて対応した、Turing世代のミドルレンジGPUです。
このRTX 2060とRTX 3050 8GBモデルを比較した場合、純粋な描画性能(ラスタライゼーション性能)ではRTX 2060が明確に優位です。
RTX 3050は「50」クラスのエントリーモデルですが、RTX 2060は「60」クラスのミドルレンジモデルであり、GPUコアの設計自体が2060の方が格上です。特に192-bitのメモリバス幅を持つRTX 2060は、メモリ帯域幅で128-bitのRTX 3050を大きく上回ります。
RTX 3050は「RTX 30シリーズ」と新しく聞こえますが、あくまでエントリーモデルです。性能は「1世代前のミドルレンジ(RTX 2060)に一歩及ばない」と理解しておくと、製品の立ち位置が非常に分かりやすいでしょう。
ただし、RTX 3050 8GBはVRAMが8GB(RTX 2060は6GB)と多いため、一部の最新ゲームでVRAM使用量が6GBを大きく超える高画質設定(例:『ホグワーツ・レガシー』の1080pウルトラ設定など)では、RTX 3050の方がVRAM不足によるカクつき(スタッタリング)が少なく、安定する可能性があります。とはいえ、平均フレームレートではRTX 2060が勝る場面がほとんどです。
1660tiと3050の比較:ベンチマーク
GTX 1660 TiとRTX 3050 8GBの性能を、DLSSやレイトレーシングを使わない純粋な描画性能(ラスタライゼーション性能)で比較すると、両者の性能は非常に近いレベルにあります。
例えば、代表的なベンチマークである3DMark Time Spyのグラフィックスコアでは、GTX 1660 Tiが約6031、RTX 3050 8GBが約6140と、わずか1〜2%程度の差しかなく、ほぼ同等です。PassmarkのG3D Markスコアでは逆にGTX 1660 Tiが上回る(12776 vs 12612)など、テストによってわずかな優劣が入れ替わるほど近接しています。
実際のゲームのフレームレート(1080p, 高設定)でも、『サイバーパンク2077』では1660 Tiが約39fps、3050 8GBが約42fpsと微差です。しかし、仕様を詳しく見ると、両者の特性は大きく異なります。
| 項目 | GeForce GTX 1660 Ti | GeForce RTX 3050 8GB |
|---|---|---|
| アーキテクチャ | Turing (12 nm) | Ampere (8 nm) |
| CUDAコア数 | 1536 | 2560 |
| VRAM | 6GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
| メモリバス幅 | 192-bit | 128-bit |
| メモリ帯域幅 | 288.0 GB/s | 224.0 GB/s |
| TDP | 120W | 130W |
| DLSS / RT | 非対応 | 対応 |
上の表から分かる通り、GTX 1660 Tiはメモリバス幅が広く(192-bit)メモリ帯域幅で勝っています。これはGPUにとって重要な「データの通り道」が広いことを意味します。一方、RTX 3050 8GBはCUDAコア数(作業する人)とVRAM容量(作業台の広さ)で勝っており、製造プロセスも8nmと新しく(Turingは12nm)、電力効率が向上しています。
結論:DLSS対応が決定的な差
ベンチマークスコアは似ていますが、RTX 3050 8GBにはVRAMが8GBある安心感と、DLSSに対応しているという決定的なアドバンテージがあります。
DLSSは今や多くのAAAタイトルで標準搭載されています。DLSSに対応したゲームであれば、RTX 3050 8GBは画質をあまり落とさずにフレームレートを劇的に向上させることができ、GTX 1660 Tiを大きく引き離します。今から新規で購入するならば、RTX 3050 8GBを選ぶ方が賢明です。
1660tiと3050の比較【派生・後継モデル】
- Gtx1660tiとrtx3050 モバイル版
- 1660 ti mobile vs 3050 mobile性能
- 1660Tiから3060・4060への移行
- RTX 3050とRTX 4060の比較
- GTX 1660tiとRTX 3050の比較【まとめ】
Gtx1660tiとrtx3050 モバイル版
ノートPC向けの「モバイル版」GPUの比較では、デスクトップ版とは状況が大きく異なります。同じ型番でも、ノートPC向けGPUはTGP(Total Graphics Power=消費電力枠)によって性能が激しく変動するため、一概に比較するのが困難です。
この点を踏まえた上で、標準的なTGP設定で比較した場合、GTX 1660 Ti Mobile(モバイル版)の方が、RTX 3050 Mobileよりも高い基本性能を持つケースが多く報告されています。
これは、RTX 3050 Mobileの仕様に大きな制約があるためです。主流のRTX 3050 MobileはVRAMが4GBしかなく、メモリバス幅も128-bitです。対して、GTX 1660 Ti MobileはVRAMが6GB、メモリバス幅が192-bitと、メモリ周りのスペックで大きく勝っています。
RTX 3050 MobileのVRAMが4GBという弱点
RTX 3050 MobileはDLSSに対応しているという強みはあります。しかし、VRAMが4GBしかないため、最新のゲームを高画質設定でプレイしようとすると、すぐにVRAM不足に陥ってしまいます。VRAMが不足すると、テクスチャが粗くなったり、DLSSを使ってもフレームレートが安定せず、カクつき(スタッタリング)が頻発する原因となります。
RTX 3050 Mobileには後に6GB版も登場しましたが、主流は依然として4GB版であるため、ノートPC選びではVRAM容量の確認が必須です。
1660 ti mobile vs 3050 mobile性能
1660 Ti Mobileと3050 Mobile(4GB版)の実際のゲームにおける性能を比較すると、ゲームや解像度によって優位性が入れ替わる複雑な結果が見られます。
例えば、一部のデータでは「1080p(フルHD)ではRTX 3050 Mobileがわずかに速い」が、「1440p(WQHD)ではGTX 1660 Ti Mobileが速い」といった報告があります。これは、1440pのような高解像度になると、RTX 3050 Mobileのメモリバス幅の狭さ(128-bit)とVRAMの少なさがボトルネックになるためです。
VRAMを多く消費するゲーム(例:Hogwarts Legacyなど)では、VRAM 4GBのRTX 3050 Mobileは設定を大幅に下げないとまともに動作しない一方、VRAM 6GBのGTX 1660 Ti Mobileの方が快適にプレイできる場合があります。
ノートPCを選ぶ際は、GPUの名前だけで判断してはいけません。同じ「RTX 3050 Mobile」でも、TGP(消費電力枠)が35Wなのか90Wなのかで性能が全く異なります。TGPが低い(Max-Q)モデルは性能が低く、TGPが高い(Max-P)モデルは性能が高くなります。必ず詳細なレビューでTGP値を確認することが重要です。
1660Tiから3060・4060への移行
現在GTX 1660 Tiを使用していて、明らかな性能向上を求めてアップグレードを検討している場合、RTX 3050 8GBへの移行は推奨されません。
前述の通り、1660 Tiと3050 8GBの基本性能は非常に近いため、DLSS非対応のゲームでは「ほとんど変わらない」と感じる可能性が高いです。性能向上をしっかり体感したいなら、RTX 3060またはRTX 4060が現実的な選択肢となります。
RTX 3060 12GBモデルは、GTX 1660 Ti比で約1.3倍から1.5倍近い性能向上が見込めます。VRAMも12GBと大容量で、メモリバス幅も192-bitあり、フルHD環境ではオーバースペック気味なほどの安定感を誇ります。
RTX 4060という優れた選択肢
さらに新しいRTX 4060は、RTX 3060と同等以上の性能を持ちながら、消費電力が低い(TDP 115W)という大きな利点があります。GTX 1660 Ti (120W) からの換装であれば、電源ユニット(PSU)を交換せずに済む可能性が高いです。
加えて、RTX 40シリーズ独自のDLSS 3(フレーム生成)に対応しています。これはAIがピクセルをアップスケールするだけでなく、AIが全く新しい中間フレームを描画して挿入する技術で、対応ゲームでは爆発的なフレームレート向上が期待できます。
RTX 3060 8GB版の罠
RTX 3060には12GB版とは別に「8GB版」も存在します。8GB版はVRAMが少ないだけでなく、メモリバス幅も128-bitに削減されているため、12GB版よりも性能が劣ります。中古市場などで探す際は、12GB版であることを確認するのが賢明です。
RTX 3050とRTX 4060の比較
RTX 3050 8GBとRTX 4060を比較した場合、これは比べるまでもなくRTX 4060の圧勝です。
RTX 3050はエントリー(入門)クラス、RTX 4060はミドル(中級)クラスと、製品の格が明確に異なります。アーキテクチャもAmpere世代とAda Lovelace世代という違いがあります。
各種ベンチマークスコアを比較すると、RTX 4060はRTX 3050 8GBに対して、約1.6倍から1.8倍という圧倒的な性能差を示します。これは、ゲームで言えば、RTX 3050が60fpsしか出ない場面で、RTX 4060なら100fps以上を狙える計算になります。
DLSS 3とL2キャッシュの恩恵
性能差をさらに決定的にするのがDLSS 3(フレーム生成)の存在です。RTX 4060はこれに対応していますが、RTX 3050は対応していません(DLSS 2.0までです)。
また、RTX 4060はL2キャッシュ(GPU内部の高速メモリ)がRTX 3050の2MBに対し32MBと大幅に増量されています。これにより、メモリバス幅(128-bit)の狭さを効率的にカバーしており、実効性能が飛躍的に向上しています。消費電力もRTX 4060 (115W) の方がRTX 3050 (130W) より低く、ワットパフォーマンス(電力効率)も圧倒的です。
GTX 1660tiとRTX 3050の比較【まとめ】
GTX 1660 TiとRTX 3050の比較について、重要なポイントをまとめます。
- デスクトップ版のGTX 1660 TiとRTX 3050 8GBの基本性能(DLSSオフ)はほぼ同等
- RTX 3050 8GBはDLSSに対応している点が最大の強み
- DLSS対応ゲームではRTX 3050 8GBが1660 Tiの性能を大きく上回る
- RTX 3050 8GBはVRAMが8GBあり1660 Ti(6GB)より将来的な安心感がある
- 今から新品で買うならRTX 3050 8GBの方が将来性が高い
- 1660 TiからRTX 3050 8GBへの乗り換えは性能向上が小さく非推奨
- 2024年登場のRTX 3050 6GBモデルは性能が大幅に低い別物
- RTX 3050 6GBはGTX 1660 Tiや1660 SUPERより性能が劣る
- RTX 3050 6GBの利点は補助電源不要モデルが多い低消費電力な点
- RTX 2060はRTX 3050 8GBよりも基本性能(DLSSオフ)が高い
- モバイル版(ノートPC)ではGTX 1660 Ti Mobileが優位な場合が多い
- RTX 3050 Mobileは主流の4GB版だとVRAM不足に陥りやすい
- ノートPC選びはGPU名だけでなくTGP(消費電力)とVRAM容量の確認が必須
- 1660 TiからのアップグレードはRTX 3060 12GBやRTX 4060が推奨される
- RTX 4060はRTX 3050 8GBを性能、電力効率、DLSS 3機能で圧倒する
- 中古でRTX 2060を選ぶ選択肢もあるがVRAM 6GBが将来的な懸念点
- 最終的な選択は予算とDLSSなどの新機能の必要性によって決まる