スーパーやコンビニで商品を購入すると、その容器には「PE」や「PET」といった材質が表示されていますが、このPEとPETの違いを意識してゴミを分別していますか?
多くの方が、PeとPETの違いによる分別の方法や、ゴミに出す際のPEとペットボトルの関係性について疑問に思っているかもしれません。
また、PPやPEのゴミの分別ルール、プラとPETの言葉の違い、PETマークの正しい捨て方など、細かなルールは複雑に感じられます。
「PPとPETの違いはゴミの回収方法ですか?」といった具体的な質問もよく聞かれますが、実は最も重要なのはプラマークとPET製品の正しい見極めです。
この記事では、peとpetの違いからゴミの分別方法まで、あなたの疑問を解消し、誰でも簡単に実践できるプラスチックごみの捨て方を分かりやすく解説します。
- PEとPETの材質的な違い
- プラマークに基づいた正しいゴミの分別方法
- ペットボトルと他のPET製品の捨て方の違い
- プラスチックごみをリサイクルする際の注意点
本記事の内容
peとpetの違いはゴミの分別に関係ある?基本を解説
- PeとPETの材質の違いと分別の基本
- そもそもプラとPETの言葉の違いとは?
- 同じPETでもペットボトルは違いがある
- ゴミに出すPEとペットボトルの関係性
- PPやPEのゴミはどう分別する?
- PPとPETの違いでゴミの回収方法は変わる?
PeとPETの材質の違いと分別の基本
プラスチックごみの分別を理解する第一歩として、まずは代表的な材質であるPE(ポリエチレン)とPET(ポリエチレンテレフタレート)、そして同じくよく目にするPP(ポリプロピレン)の基本的な違いを知っておきましょう。
これらの材質はそれぞれ異なる特性を持っており、様々な製品に使われています。
しかし、ゴミとして分別する際は、材質の違いそのものよりも「プラマーク」の有無が重要になります。

「材質がたくさんあって覚えるのが大変…」と感じるかもしれませんが、ご安心ください。
日本の多くの自治体では、これらの材質を個別に分ける必要はなく、共通のルールで回収しています。
まずは下の表で、それぞれの特徴と主な用途を軽く確認してみましょう。
材質(略称) | 正式名称 | 主な特徴 | 主な用途 |
---|---|---|---|
PE | ポリエチレン | 柔らかく、加工しやすい。 耐油性・耐薬品性に優れる。 | レジ袋、食品用ラップ、 シャンプー容器、 ボトルのキャップ・中栓 |
PET | ポリエチレン テレフタレート | 硬く、透明性が高い。 強度とガスバリア性に優れる。 | 飲料用ペットボトル本体、 卵パック、一部の食品トレイ |
PP | ポリプロピレン | PEより硬く、耐熱性が高い (100℃以上)。 | 食品保存容器、自動車部品、 医療器具、ストロー |
このように、それぞれ特性が異なります。
ですが、これらのごみを出す際の結論は非常にシンプルです。
商品が入っていた「容器」や「包装」で、プラマークが付いていれば、材質がPEでもPETでもPPでも、すべて「プラスチック製容器包装」としてまとめて捨てることができます。
そもそもプラとPETの言葉の違いとは?
次に、「プラ」と「PET」という言葉の違いについて整理しておきましょう。
この二つの言葉は混同されがちですが、その関係性を理解すると分別がさらに分かりやすくなります。
結論から言うと、「プラ」はプラスチック全体の総称であり、「PET」はそのプラスチックの中の一つの種類を指します。
例えるなら、「食べ物」という大きなカテゴリの中に「野菜」や「果物」があるのと同じ関係です。
- プラ:
プラスチック(合成樹脂)全般を指す広い言葉。PE、PET、PP、PS(ポリスチレン)など、多くの種類が含まれます。 - PET:
ポリエチレンテレフタレートという特定の材質を指す言葉。
主に飲料用のペットボトルで知られています。
ゴミ分別の文脈で「プラ」という言葉が出てきた場合、それは多くの場合、商品を包んでいた容器や包装に使われる様々なプラスチック、つまり「プラスチック製容器包装」を指します。
そのため、PET製の卵パックや洗剤ボトルも、プラマークが付いていれば「プラ」の日に出すのが正しい分別方法となります。
同じPETでもペットボトルは違いがある
「PET素材なら、全部ペットボトルと同じようにリサイクルできるのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、ここには重要な違いがあります。
同じPET素材で作られていても、飲料用の「ペットボトル」と、それ以外の「PET製容器包装」では、リサイクルのルートが法律によって区別されています。
これは「容器包装リサイクル法」という法律で定められており、質の高いリサイクルを効率的に行うためのルールです。

リサイクル対象となるペットボトル
「PETボトルリサイクル推進協議会」によると、リサイクルマークを付けて回収の対象となるのは、以下の用途に使われたPETボトルに限定されています。
- 飲料用(ジュース、お茶、水、炭酸飲料など)
- 酒類用(日本酒、焼酎、ビールなど)
- 特定調味料用(しょうゆ、みりん風調味料、食酢など)
ペットボトルとしてリサイクルできないPET製品
一方で、同じPET素材でも以下のような製品は「ペットボトル」としてはリサイクルされません。
これらはプラマークの指示に従い、「プラスチック製容器包装」として分別する必要があります。
▼ペットボトルとは別の分別になるPET製品の例
- 食用油やオイルドレッシングのボトル
- 焼き肉のタレやソースのボトル
- 洗剤やシャンプー、化粧品のボトル
- 卵パックや総菜の透明な容器
これらの製品は、中身の油分や匂いがリサイクルの品質に影響を与えるため、飲料用のペットボトルとは別に回収されるのです。
ゴミに出すPEとペットボトルの関係性
ゴミの分別において、PE(ポリエチレン)とペットボトル(PET)は、セットで捨てられることが多いものの、分別上は異なる役割を持っています。
一般的な飲料用ペットボトルを例に見てみましょう。
- 本体:PET製
- キャップ:多くはPE製
- ラベル:多くはPS(ポリスチレン)またはPP(ポリプロピレン)製
このように、一本のペットボトルは複数のプラスチック素材から構成されています。
そして、自治体のルールでは、これらを以下のように分別するよう定められています。
▼ペットボトルの分別方法
- キャップとラベルを外す
→ これらは「プラスチック製容器包装」(プラマークの日)へ - 中を軽くすすいで水を切る
- 本体をつぶす → 本体は「ペットボトル」(資源ごみの日)へ

つまり、ゴミに出すPE製のキャップと、PET製のペットボトル本体は、回収日が異なるのが基本です。
PEはプラマークのついた他のプラスチック容器と一緒に、ペットボトル本体は他のペットボトルと一緒にリサイクルされます。
豆知識:リングは外さなくてOK
キャップを外した後に首の部分に残るリングもPE製が多いですが、これは無理に外す必要はありません。
リサイクル工場の設備で分離できるため、付けたままペットボトル本体と一緒に出して問題ないとされています。
PPやPEのゴミはどう分別する?
PP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)製のゴミの分別方法は、これまで説明してきた通り非常にシンプルです。
商品を包んでいた容器や包装に「プラマーク」が付いていれば、材質の種類を気にする必要はありません。
すべてまとめて「プラスチック製容器包装」として、自治体が指定する日に出してください。
PPやPE製の容器包装の具体例
私たちの身の回りには、PPやPEでできた多くの容器包装があります。
- PP製の例:
コンビニ弁当の容器、ヨーグルトのカップ、レトルト食品のパックなど - PE製の例:
レジ袋、パンの袋、詰め替え用洗剤のパウチ、マヨネーズの容器など
これらの製品には、ほとんどの場合プラマークが表示されています。
マークを確認し、中身を使い切って汚れを軽く洗い流せば、すべて同じ袋に入れて捨てることができます。
材質表示(例:「袋:PP, PE」)は、リサイクル業者が処理工程で参考にするための情報であり、私たち消費者が分別するために細かく気にする必要はないのです。
PPとPETの違いでゴミの回収方法は変わる?
この質問に対する答えは、「基本的には変わらない」です。
前述の通り、消費者がゴミを出す段階では、PP(ポリプロピレン)とPET(ポリエチレンテレフタレート)という材質の違いを意識して回収方法を変える必要はほとんどありません。
繰り返しになりますが、分別の最大の判断基準は以下の2点です。
- それが「商品を包んでいた容器や包装」であるか?
- 「プラマーク」または「PETボトルマーク」のどちらが付いているか?
例えば、同じPET素材でも、飲料ボトルなら「PETボトルマーク」に従って資源ごみへ、卵パックなら「プラマーク」に従ってプラスチック製容器包装へ出すことになります。
また、PP製の弁当容器も「プラマーク」が付いていれば、プラスチック製容器包装としてPET製の卵パックと一緒の袋に入れてOKです。
このように考えると、難しく感じていたプラスチックの分別が、実はとてもシンプルなルールに基づいていることが分かりますね。
材質名に惑わされず、まずはマークを確認する習慣をつけましょう!
peとpetの違いより重要!ゴミ分別はマークで判断
- 分別の鍵はプラマークとPETの関係
- PETマークの正しい捨て方を解説
- リサイクルできないプラスチック製品
- 汚れが落ちない時のゴミの出し方
分別の鍵はプラマークとPETの関係
プラスチックごみの分別で最も重要な鍵となるのが、「プラマーク」と「PETボトルリサイクルマーク」の関係性を正しく理解することです。
材質がPEかPETかという違いよりも、どちらのマークが付いているかで捨てる場所が明確に決まります。

プラマークが付いている場合
四角い形をしたプラマークは、「プラスチック製容器包装」であることを示します。
たとえ材質がPETであっても、このプラマークが付いていれば「ペットボトル」とは別の扱いです。
シャンプーのボトルや食用油の容器に「ボトル:PET」と書かれていても、プラマークがあれば「プラスチック製容器包装」の日に出します。
PETボトルリサイクルマークが付いている場合
三角形の形をしたPETボトルリサイクルマークは、前述の通り、特定の飲料や調味料に使われるリサイクル可能なペットボトルであることを示します。
このマークがあるものだけが、「ペットボトル」の日に資源ごみとして回収されます。
▼結論:マークによる判断基準
- プラマークあり
→ 材質を問わず「プラスチック製容器包装」 - PETボトルマークあり
→ 「ペットボトル(資源ごみ)」
このシンプルなルールさえ覚えておけば、ほとんどのプラスチック容器包装を迷わず分別できるようになります。
PETマークの正しい捨て方を解説
ここでは、リサイクル効率を最大限に高めるための、PETボトルリサイクルマークが付いたペットボトルの正しい捨て方を3ステップで解説します。
この手順を守ることは、質の高いリサイクル資源を生み出すために非常に重要です。
ステップ1:キャップとラベルを外す
まず、ペットボトルからキャップとラベルを完全に取り外します。
前述の通り、キャップ(主にPE製)とラベル(主にPSやPP製)は、ペットボトル本体(PET製)とは異なる材質でできているため、一緒にリサイクルすることができません。
外したキャップとラベルは、プラマークが付いているはずですので、「プラスチック製容器包装」として分別してください。
ステップ2:中を軽くすすぐ
ボトルの中に残った飲料を空にして、水で軽くすすぎます。
洗剤を使って念入りに洗う必要はありません。食器を洗った後の残り水などを利用して、内部に糖分や汚れが残らないようにするだけで十分です。
すすいだ後は、しっかりと水を切り、乾燥させておくと衛生的です。
中身が残っていたり、タバコの吸い殻などの異物が入っていたりすると、リサイクルできなくなるだけでなく、保管場所で悪臭の原因にもなります。
必ず中を空にしてから出しましょう。
ステップ3:つぶして回収ボックスへ
最後に、ペットボトルを平たくつぶします。
つぶすことで、家庭での保管スペースを節約できるだけでなく、収集車が一度に運べる量が増え、収集効率が向上します。
つぶしたペットボトルは、自治体が指定する「ペットボトル」の回収日や、スーパーマーケットなどの店頭に設置されている回収ボックスに出してください。

リサイクルできないプラスチック製品
これまで「容器包装」のリサイクルについて解説してきましたが、注意点として、プラスチック製であってもリサイクルの対象にならない「製品そのもの」があります。
容器包装リサイクル法が対象としているのは、あくまで「商品を入れたり包んだりしていて、中身を使ったら不要になるもの」です。
そのため、プラスチックでできていても、それ自体が商品であるものは「プラスチック製容器包装」には該当しません。
▼リサイクル対象外(燃えるゴミや不燃ゴミなど)になるプラスチック製品の例
- 文房具:
ボールペン、定規、クリアファイル - 台所用品:
プラスチック製のまな板、タッパー、計量スプーン - おもちゃ:
プラモデル、ブロック、人形 - その他:
CD・DVDケース、バケツ、洗面器、歯ブラシ、ハンガー

これらのプラスチック製品は、プラマークが付いていません。
自治体のルールに従い、「燃えるごみ」や「不燃ごみ」、大きなものは「粗大ごみ」として処分する必要があります。
「プラスチックだから」という理由で、何でもプラスチック製容器包装の袋に入れないように注意しましょう。
最近では、「プラスチック資源循環促進法」という新しい法律により、これまで対象外だった製品プラスチックも一括で回収する自治体が増えてきています。
お住まいの地域のルールが変更になっている可能性もあるので、一度自治体のホームページなどで最新の情報を確認することをおすすめします。
汚れが落ちない時のゴミの出し方
プラスチック製容器包装をリサイクルに出す際の大原則は、「汚れが落ちていること」です。
しかし、マヨネーズやケチャップのチューブ、油分の多い食品が入っていたトレイなど、中には汚れが簡単に落ちないものもあります。
そのような場合は、無理にリサイクルに出す必要はありません。

汚れの目安は?
リサイクルに出せる汚れの目安は、「水で軽くすすいで、目で見て汚れが分からない程度」です。
洗剤でゴシゴシ洗って完璧にきれいにする必要はありません。
どうしても汚れが落ちない場合は?
チューブを半分に切ってみても汚れが取れない、ソースや油が染み付いてしまっているなど、洗浄が難しい場合は、「燃えるごみ」として出すのが正しい判断です。
なぜなら、汚れたプラスチックが混ざっていると、一緒に回収されたきれいなプラスチックまで汚染してしまい、全体がリサイクルできなくなってしまうからです。
無理にリサイクルに出すよりも、可燃ごみとして適切に処理する方が、結果的にリサイクルシステム全体の品質を保つことに繋がります。
きれいにするために大量の水や洗剤を使うのは、環境負荷の観点から本末転倒です。
「簡単にきれいになるものはリサイクルへ、ならないものは燃えるごみへ」と覚えておきましょう。
【まとめ】peとpetの違いよりゴミのルール確認が重要
この記事では、PEとPETの違いから、複雑に見えるプラスチックごみの分別方法までを解説しました。
最後に、今回の重要なポイントをまとめます。
- PEはポリエチレン、PETはポリエチレンテレフタレートの略称
- PEは柔らかくキャップや袋に、PETは硬くボトル本体などに使われる
- ゴミ分別では材質の違いよりマークの確認が最優先
- プラマークがあればPEもPETもPPも「プラスチック製容器包装」として一緒に出せる
- プラとはプラスチック全体の総称でPETはその一種
- 同じPET素材でも飲料用ペットボトルとその他容器はリサイクルルートが違う
- これは容器包装リサイクル法で定められている
- 食用油や洗剤のPETボトルはプラマークに従い分別する
- ペットボトルのキャップ(PE製)とラベルはプラスチック製容器包装へ
- ペットボトル本体(PET製)は資源ごみへ分別する
- 分別の鍵はプラマークとPETボトルマークの見極め
- おもちゃや文房具など製品そのものはリサイクル対象外
- 汚れがひどい容器はリサイクルできないため燃えるごみへ出す
- 軽くすすいで汚れが落ちる程度がリサイクルの目安
- 最終的なpeとpetの違いの理解より自治体のゴミのルール確認が最も重要