新しいグラフィックボードの購入を検討する際、2025年の市場で特に注目される「Radeon RX 9070 XT」と「GeForce RTX 5070 Ti」のどちらを選ぶべきか、真剣に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この9070xtと5070tiの比較記事では、純粋な9070XTの性能比較はもちろん、気になる9070XTの価格、下位モデルとの9070xtと9070の比較、さらには上位モデルである5070Tiと5080の比較まで、多角的な視点から情報を整理します。
また、RTX 5070とRX 9070XTのどちらを選ぶべきかという観点や、各9070XTのメーカー比較も解説します。特にモンスターハンター:ワイルズのような人気ゲームにおける9070xtと5070Tiのパフォーマンス差や、長期的な運用で重要になる5070tiと9070xtの消費電力の違いに至るまで、あらゆるデータを基に、あなたのための最適な一枚を見つけるお手伝いをします。
- 両GPUのスペックと価格の違い
- ゲームタイトルごとの性能差を解像度別に把握
- レイトレーシングやAIなど付加価値の違いを理解
- 自分に最適な一枚を選ぶための明確な基準
本記事の内容
スペックと価格で見る9070xt 比較 5070ti
- RX 9070XTの価格とコストパフォーマンス
- 主要な9070XTのメーカー比較と特徴
- 下位モデルの9070xtと9070を比較
- RTX 5070とRX 9070XTの立ち位置
- 上位モデル5070Tiと5080の比較
RX 9070XTの価格とコストパフォーマンス
グラフィックボードを選ぶ上で、性能と同じくらい重要な要素が価格です。ここではRX 9070 XTの価格設定と、それがもたらすコストパフォーマンスについて詳しく見ていきましょう。
結論から言うと、RX 9070 XTはRTX 5070 Tiと比較して、非常に高いコストパフォーマンスを誇ります。

その最大の理由は、メーカー希望小売価格(MSRP)の違いにあります。RX 9070 XTが$599であるのに対し、RTX 5070 Tiは$749と設定されており、ここには$150もの価格差が存在します。この価格差は、日本円に換算すると約3万円以上にもなり、PCパーツ選びにおいて決して無視できない金額です。
もちろん、これはあくまで希望小売価格であり、実際の市場価格は需要と供給によって変動します。しかし、発売から時間が経過し価格が安定してきた現在でも、RX 9070 XTはRTX 5070 Tiよりも1.5万円から数万円安価に購入できるケースが多いです。例えば、RX 9070 XTが11万円台で見つかる一方で、RTX 5070 Tiは12万円台後半から13万円台が中心となっています。
後述するゲーム性能のセクションで詳しく解説しますが、特定の条件下を除けば両者の性能は非常に拮抗しています。そのため、純粋なゲーム性能に対する価格、つまりコストパフォーマンスという指標で評価した場合、RX 9070 XTに軍配が上がります。浮いた予算をSSDの増設やモニターのアップグレードに回すことで、総合的なPC体験をより向上させることも可能です。
価格変動のリスク
グラフィックボードの価格は、為替レートや半導体の需給バランス、新製品の登場など、様々な要因で常に変動します。購入を検討する際は、最新の市場価格を複数の販売店で確認することをおすすめします。
主要な9070XTのメーカー比較と特徴
RX 9070 XTという同じGPUチップを搭載していても、販売するメーカー(AIBパートナー)によって製品のデザインや冷却性能、保証期間などが異なります。ここでは、主要なメーカーごとの特徴を比較し、自分に合った一枚を選ぶための参考にしてください。

主に市場でよく見られるのは、ASRock、PowerColor、SAPPHIRE、玄人志向などのメーカーです。
メーカー | 代表的な モデル シリーズ | 特徴 | 保証期間 の 傾向 |
---|---|---|---|
SAPPHIRE | NITRO+ / PULSE | Radeon専門メーカーとして長年の実績があり、品質と安定性に定評があります。特にNITRO+シリーズは高品質な部品と強力な冷却性能で、高い評価を得ています。 | 代理店により1年~2年 |
PowerColor | Red Devil / Hellhound | 高性能なオリジナルクーラーを搭載したモデルが多く、特にRed Devilシリーズは強力な冷却性能とアグレッシブなデザインで人気です。OC性能を重視するユーザーに向いています。 | 2年 |
ASRock | Taichi / Phantom Gaming | マザーボードで有名なメーカーですが、グラボでも品質の高い製品をリリースしています。Taichiシリーズは豪華な設計と独特のデザインが特徴で、冷却性能も非常に高いです。 | 2年(一部モデルは3年) |
玄人志向 | - | 国内ブランドであり、比較的安価なモデルが多いのが特徴です。コストを最優先に考えたい場合に有力な選択肢となりますが、サポート面では他の海外メーカーと異なる場合があるため、PC自作に慣れた方向けと言えるでしょう。 | 1年 |




選ぶ際のポイント
基本的には、どのメーカーの製品を選んでもRX 9070 XTの性能を大きく損なうことはありません。判断基準としては、PCケースに収まるサイズか、デザインの好み、そして価格と保証期間のバランスを考慮するのが良いでしょう。特にOC(オーバークロック)モデルは高い性能を発揮しますが、その分価格も高くなる傾向があります。
これらの情報を参考に、ご自身のPC環境や予算に最もマッチしたメーカーのRX 9070 XTを選んでみてください。
下位モデルの9070xtと9070を比較
RX 9070 XTを検討している方の中には、もう少し予算を抑えた下位モデル「RX 9070」(無印)の存在が気になる方もいるかもしれません。ここでは、この2つのモデルの違いについて解説します。
結論として、RX 9070 XTはRX 9070よりも高いゲーミング性能を持っていますが、その分価格も高くなります。両者の主な違いは、GPUの内部仕様、特にシェーダーユニット数やクロック周波数にあります。

スペック上の主な違い
一般的に、同じシリーズの「XT」モデルと無印モデルでは、以下のような性能差が設けられています。
- シェーダーユニット数:
XTモデルの方が多い傾向にあり、これが直接的な描画性能の差につながります。 - クロック周波数:
XTモデルの方が高く設定されており、処理速度が速くなります。 - 消費電力(TDP):
性能が高い分、XTモデルの方が消費電力も高くなるのが一般的です。
つまり、RX 9070 XTはRX 9070の性能を強化したバージョンと考えるのが分かりやすいです。自動車で例えるなら、同じ車種の標準グレードとスポーツグレードのような関係ですね。
どちらを選ぶべきか?
選択の基準は、あなたの予算と求めるゲーム体験のレベルによって決まります。
RX 9070 XTがおすすめな人:
WQHD(2560x1440)解像度で高いフレームレートを安定して維持したい、あるいは4K(3840x2160)解像度でのゲームプレイも視野に入れている方。少しでも高い性能を求めるなら、XTモデルが最適です。
RX 9070(無印)がおすすめな人:
主にフルHD(1920x1080)やWQHD解像度で快適にプレイできれば十分で、コストパフォーマンスを最優先に考えたい方。XTモデルとの価格差によっては、非常に魅力的な選択肢となります。
最終的な判断は、両モデルの市場価格と、様々なゲームタイトルでのベンチマーク結果を比較して行うのが最も確実です。価格差が小さい場合は、将来性も考えてXTモデルを選んでおくのが賢明かもしれません。
RTX 5070とRX 9070XTの立ち位置
RX 9070 XTのライバルとしてよく比較されるのはRTX 5070 Tiですが、NVIDIAのラインナップにはもう一つ下の「RTX 5070」(無印)も存在します。ここでは、この3つのグラフィックボードの性能的な立ち位置を明確にしておきましょう。
結論から言うと、RX 9070 XTは、性能面でRTX 5070とRTX 5070 Tiの間に位置づけられることが多いです。
より具体的に言うと、純粋な描画性能(ラスタライゼーション)においては、RX 9070 XTがRTX 5070を上回り、RTX 5070 Tiに迫る、あるいは同等の性能を発揮します。

性能階層のイメージ
ゲームの性能を基準に、これら3つのGPUを並べると、概ね以下のようになります。
RTX 5070 < RX 9070 XT ≒ RTX 5070 Ti
もちろん、これはあくまで一般的な傾向です。ゲームタイトルによってはRX 9070 XTがRTX 5070 Tiを上回ることもあれば、逆にRTX 5070に近い性能になることもあります。しかし、平均的なパフォーマンスで見ると、RX 9070 XTはRTX 5070よりも一段階上の性能を持っていると評価できます。
選択のポイント
もしあなたの予算がRTX 5070の購入を想定している場合、少し予算を追加してRX 9070 XTを検討する価値は十分にあります。多くの場合でより高いフレームレートを得られるため、コストパフォーマンスの観点から非常に魅力的な選択肢となり得ます。ただし、後述するレイトレーシング性能やクリエイティブ性能など、NVIDIA独自の強みも考慮に入れる必要があります。
このように、RX 9070 XTはNVIDIAの強力なラインナップの中に割って入るだけのポテンシャルを持ったグラフィックボードであり、価格と性能のバランスを重視するユーザーにとって重要な選択肢の一つと言えるでしょう。
上位モデル5070Tiと5080の比較
RTX 5070 Tiを検討する際、予算に余裕があれば、さらにその上位モデルである「RTX 5080」も視野に入ってくるかもしれません。ここでは、この2つのグラフィックボードがどの程度の性能差と価格差を持つのかを比較し、アップグレードを検討する価値があるのかを考えます。
言うまでもなく、RTX 5080はRTX 5070 Tiよりも全ての面で高性能ですが、その分だけ価格も大幅に上昇します。
この2つのモデルは、同じ「ハイエンド」というカテゴリに属しながらも、ターゲットとするユーザー層が明確に異なります。

性能と価格の大きなギャップ
RTX 5080がRTX 5070 Tiに対して優れている点は主に以下の通りです。
- CUDAコア数:
RTX 5080の方が大幅に多く、これが基本的な処理能力の差となります。 - VRAM(ビデオメモリ):
より大容量、またはより高速なメモリを搭載しており、特に4K以上の高解像度でのゲームプレイや、大規模なデータを扱うクリエイティブ作業で有利です。 - メモリバス幅:
より広いバス幅を持つため、一度に転送できるデータ量が多く、性能のボトルネックを解消します。
これらのスペック差により、RTX 5080はRTX 5070 Tiに対して、特に4K解像度において20%から30%以上高いパフォーマンスを発揮することがあります。しかし、その性能差と引き換えに、価格も数万円から、時には10万円近く高くなることも珍しくありません。
性能の向上率よりも価格の上昇率の方が大きい、というのがこのクラスのグラボの難しいところですね。最高の体験を求めるならRTX 5080ですが、多くのユーザーにとってはRTX 5070 Tiが「スイートスポット」になることが多いです。
どちらを選ぶべきか?
RTX 5070 Tiで十分な人:
主な用途がフルHDやWQHD解像度でのゲーミングであり、4Kでも多くのゲームを快適にプレイできれば満足できる方。コストパフォーマンスを重視し、現実的なハイエンド性能を求めるユーザーにとって最適な選択です。
RTX 5080を目指すべき人:
4K解像度で、あらゆるゲームを最高設定かつ高フレームレートでプレイすることを絶対条件とする方。あるいは、プロレベルの動画編集や3DCGレンダリングなど、最高のパフォーマンスが作業効率に直結するクリエイター。予算に一切の妥協をしたくない、純粋な性能追求型のユーザー向けの選択肢と言えます。
ゲーム性能で決着!9070xt 比較 5070ti
- ラスタライズでの9070XT性能比較
- レイトレーシング性能とアップスケール
- モンハンでの9070xtと5070Tiの性能
- 5070tiと9070xtの消費電力とワッパ
- AI・クリエイティブ性能での比較
- 【まとめ】あなたに合うのは?9070xtと5070tiを比較
ラスタライズでの9070XT性能比較
ここからは、実際のゲームにおける性能を比較していきます。まずは、グラフィックボードの最も基本的な描画性能である「ラスタライゼーション性能」を見ていきましょう。これは、レイトレーシングを使用しない、従来のゲームにおけるパフォーマンスを指します。
驚くべきことに、このラスタライズ性能において、RX 9070 XTとRTX 5070 Tiは、ほとんど互角と言える実力を持っています。
多くのゲームベンチマークの平均を見ると、両者の性能差は多くの場合で数パーセント以内に収まり、どちらが優れているかはゲームタイトルによって入れ替わります。まさに「好敵手」と呼ぶにふさわしい関係です。

ゲームタイトル別の性能差
具体的にいくつかのゲームタイトルでの結果を見てみましょう。
- 『Starfield』(4K):
RX 9070 XTがわずかにリードしますが、その差は体感できるレベルではありません。 - 『Forza Horizon 5』:
伝統的にRadeonが得意とするタイトルですが、両者はほぼ同等のフレームレートを記録します。 - 『Counter-Strike 2』(4K):
このタイトルではRTX 5070 Tiが最大で20%以上もRX 9070 XTを上回る結果を示しており、特定のゲームに対する最適化の差が見られます。 - 『ホグワーツ・レガシー』:
重量級タイトルですが、場面によってはRX 9070 XTがRTX 5070 Tiを上回る描写力を見せます。
ラスタライズ性能の結論
eスポーツタイトルからAAA級の重量級ゲームまで、レイトレーシングを使わないのであれば、両者の間に明確な性能差はほとんどありません。この事実を踏まえると、価格が安いRX 9070 XTのコストパフォーマンスの高さが際立ちます。あなたがプレイするゲームが明確に決まっている場合は、そのゲームでどちらのGPUが有利かを確認するのが良いでしょう。
もしあなたが純粋なゲーマーで、レイトレーシングに強いこだわりがないのであれば、ラスタライズ性能だけを見ればRX 9070 XTは非常に賢い選択と言えます。
レイトレーシング性能とアップスケール
ラスタライズ性能では互角だった両者ですが、その戦いの様相が一変するのが「レイトレーシング(RT)性能」と、それを補助する「アップスケーリング技術」です。
この分野においては、議論の余地なくRTX 5070 Tiの圧勝となります。
NVIDIAが長年にわたって開発を続けてきたRTコアの性能とドライバの最適化、そしてAIを活用したアップスケーリング技術「DLSS」は、AMDの追随を許さない大きなアドバンテージを築いています。

圧倒的なレイトレーシング性能差
光や影、反射をリアルに計算するレイトレーシングは、GPUに極めて高い負荷をかけます。この処理において、RTX 5070 TiはRX 9070 XTを大きく引き離します。
- 『Cyberpunk 2077』(RT Ultra設定):
RTX 5070 TiがRX 9070 XTに対し、20%から最大で35%以上も高いパフォーマンスを記録します。
テストによっては、絶望的な差がつくこともあります。 - 『Alan Wake 2』(RT Ultra設定):
こちらもレイトレーシングが非常に重いタイトルですが、同様にRTX 5070 Tiが20%以上のリードを見せます。
「次世代ゲームの映像美を最高設定で体験したい」と考えるユーザーにとって、この性能差は決定的な意味を持ちます。
アップスケーリング技術:DLSS vs FSR
高解像度やレイトレーシング使用時のフレームレートを向上させる技術がアップスケーリングです。ここにも両社の思想の違いが現れます。
- NVIDIA DLSS (Deep Learning Super Sampling):
RTXシリーズに搭載されたAI専用のTensorコアを使用して、高度な機械学習に基づき高画質な映像を生成します。
特に最新のDLSS 4は、画質の劣化が非常に少なく、ネイティブ解像度に近い、あるいはそれ以上の映像品質を実現しながらフレームレートを劇的に向上させます。 - AMD FSR (FidelityFX Super Resolution):
特定のハードウェアを必要としないオープンな技術で、より多くのGPUで利用できます。
こちらもフレーム生成に対応していますが、一般的に画質面ではDLSSに一歩譲ると評価されています。
ゲーム側の対応状況も重要
『パルワールド』のように、DLSSには対応していてもFSRには未対応、というゲームも存在します。このような場合、RTX 5070 Tiはアップスケーリングの恩恵を受けられる一方で、RX 9070 XTはネイティブ解像度で動作させるしかなく、大きな性能差が生まれる原因となります。
レイトレーシングとDLSSの組み合わせは、RTX 5070 Tiが持つ最大の強みであり、価格差以上の価値があると感じるユーザーも多いでしょう。
モンハンでの9070xtと5070Tiの性能
日本国内で絶大な人気を誇る「モンスターハンター」シリーズ。特に最新作『モンスターハンターワイルズ』のような重量級タイトルでのパフォーマンスは、多くのPCゲーマーにとって重要な選択基準となります。
このモンハンワイルズにおいて、RX 9070 XTはRTX 5070 Tiに対して非常に高いパフォーマンスを発揮する傾向があります。
これは、モンスターハンターシリーズで採用されているゲームエンジン「RE ENGINE」が、もともとPlayStationなどのコンソール機での開発を主軸としており、コンソール機に採用されているAMD製GPUアーキテクチャに最適化されているため、と言われています。

ベンチマーク結果に見る優位性
実際のベンチマークデータを見ると、その傾向は明らかです。
- フルHD(1920x1080)解像度:
RX 9070 XTがRTX 5070 Tiを上回り、時には上位モデルであるRTX 5080に匹敵するほどのフレームレートを記録することがあります。 - WQHD(2560x1440)解像度:
フルHDと同様に、RX 9070 XTがRTX 5070 Tiに対して有利な状況が続きます。 - 4K(3840x2160)解像度:
高解像度になるとVRAM帯域幅の広さなどが影響し、RTX 5070 Tiが追い上げる場面もありますが、それでも両者は互角か、RX 9070 XTがわずかに有利なレベルで競い合います。
「モンハンを最高環境でプレイしたい!」という方にとって、RX 9070 XTはまさにうってつけのグラボと言えますね。コストパフォーマンスを考えると、これ以上ない選択かもしれません。
アップスケーリング技術の併用
前述の通り、モンハンワイルズはAMDのアップスケーリング技術「FSR」にも対応しています。FSRを併用することで、RX 9070 XTはさらに高いフレームレートを維持することが可能です。画質面ではDLSSに分がありますが、パフォーマンスの向上という点では大きな武器となります。
もしあなたのPCゲームライフの中心がモンスターハンターシリーズであるならば、RX 9070 XTを選ぶことで、価格を抑えつつも非常に満足度の高いゲーミング体験を得られる可能性が高いでしょう。
5070tiと9070xtの消費電力とワッパ
グラフィックボードの性能だけでなく、消費電力や電力効率も重要な比較ポイントです。特に長期間使用することを考えると、電気代やPC内部の冷却にも影響してきます。ここでは、RTX 5070 TiとRX 9070 XTの消費電力と「ワットパフォーマンス(ワッパ)」について見ていきましょう。
結論として、ワットパフォーマンス(電力効率)においては、RTX 5070 TiがRX 9070 XTよりも優れています。
両者の公称TDP(熱設計電力)は、RTX 5070 Tiが300W、RX 9070 XTが304Wとほぼ同じです。しかし、実際のゲームプレイ中における消費電力には差が見られます。
実測データで見る電力効率
複数のゲームベンチマーク中の平均消費電力を測定したデータによると、RTX 5070 Tiは同等の性能を発揮している場面で、RX 9070 XTよりも少ない電力を消費する傾向があります。
例えば、あるテストでは、RTX 5070 Tiが平均234Wしか消費していないのに対し、RX 9070 XTは260W以上を消費していました。この差は、1ワットあたりのフレームレートで計算される「ワットパフォーマンス」に換算すると、RTX 5070 Tiの方が20%以上も効率的であることを意味します。
この優れた電力効率は、いくつかのメリットをもたらします。
- 電気代の節約:
長期間にわたってPCを使用する場合、わずかな差でも年間の電気代に影響します。 - PCケース内の冷却:
消費電力が低いということは、発熱が少ないということです。これにより、
PCケース内の温度上昇を抑え、他のパーツへの熱の影響を軽減し、冷却ファンの騒音を低減する効果も期待できます。

RX 9070 XTの「電源スパイク」に注意
Radeonの高性能モデルでは、瞬間的に公称TDPを大きく超える電力を消費する「電源スパイク」と呼ばれる現象が報告されることがあります。これにより、電源ユニットの保護回路が作動してしまう可能性もゼロではありません。RX 9070 XTを使用する場合は、品質が高く、容量に余裕を持たせた電源ユニット(推奨750W以上)を選ぶことが特に重要です。
性能だけでなく、運用面での安定性や効率性を重視するならば、RTX 5070 Tiの優れたワットパフォーマンスは大きな魅力となるでしょう。
AI・クリエイティブ性能での比較
PCの用途はゲームだけにとどまりません。動画編集、3DCG制作、そして近年急速に普及しているAIによる画像生成など、クリエイティブな作業にPCを使用するユーザーも増えています。この分野においては、RTX 5070 TiがRX 9070 XTを圧倒します。
この差を生んでいる最大の要因は、NVIDIAが長年をかけて構築してきた「CUDA」という並列コンピューティングプラットフォームと、AI処理に特化した「Tensorコア」の存在です。

プロ向けソフトウェアでの圧倒的な優位性
多くのプロフェッショナル向けクリエイティブソフトウェアは、NVIDIAのCUDAに最適化されて開発されています。そのため、GPUレンダリングやAI処理において、GeForceシリーズはRadeonシリーズよりも遥かに高いパフォーマンスを発揮します。
- 3DCGレンダリング:
業界標準のソフトウェア『Blender』のベンチマークでは、RTX 5070 TiがRX 9070 XTよりも40%以上高速という結果が出ています。レンダリング時間の短縮は、作業効率の向上に直結します。 - AI画像生成:
『Stable Diffusion』などを使った画像生成AIでは、その差はさらに顕著になります。Tensorコアの能力を最大限に活用できるRTX 5070 Tiは、RX 9070 XTよりも45%以上も高いパフォーマンスを発揮することがあります。 - 動画編集:
多くの動画編集ソフトは、NVIDIAのハードウェアエンコーダー「NVENC」に対応しています。これにより、動画の書き出し(エンコード)を非常に高速に行うことができ、編集作業のボトルネックを解消します。
【まとめ】あなたに合うのは?9070xtと5070tiを比較
- コストパフォーマンスを最優先するならRX 9070 XT
- レイトレーシングの映像美を最高設定で体験したいならRTX 5070 Ti
- 純粋なラスタライズ性能では両者の実力はほぼ互角
- モンスターハンターワイルズが主戦場ならRX 9070 XTが非常に強力
- 動画編集やAI画像生成などクリエイティブ作業も行うならRTX 5070 Tiが圧倒的
- アップスケーリング技術の画質はDLSSを搭載するRTX 5070 Tiが優位
- ワットパフォーマンス(電力効率)はRTX 5070 Tiが優れている
- RX 9070 XTは価格を抑えつつ高いゲーム性能を実現
- RTX 5070 Tiは価格は高いが付加価値と汎用性に優れる
- RX 9070 XTを選ぶ際は容量に余裕のある高品質な電源が推奨される
- ゲーム側のDLSSやFSRの対応状況も選択の決め手になる
- 予算を他のパーツ(SSDやモニター)に回したいならRX 9070 XT
- 安定したドライバやエコシステムを重視するならRTX 5070 Ti
- 最終的にはあなたのPCの使い方と価値観で選ぶことが最も重要