アジングロッド選びで、シマノのソアレか、ダイワの月下美人か、どちらのブランドが良いか悩んでいませんか。
ライトゲームの二大巨頭である両ブランドは、それぞれ魅力的な製品を展開しており、多くのアングラーが月下美人とソアレのロッド比較情報を求めています。
この記事では、そんなあなたの疑問に答えるべく、両ブランドのアジングロッドを徹底的に比較検討します。

記事のポイントです。
- ソアレと月下美人のブランドとしての特徴や強みの違い
- 両ブランドのロッドにおける性能(感度・調子)や搭載技術の違い
- 初心者向けモデルやコストパフォーマンスに優れたロッドの選択肢
- アジングロッド選びの基準(ティップ・番手・グレード)とその違い
本記事の内容
月下美人 ・ ソアレ 比較 ! ロッド 選びのポイント
- ブランド比較
- アジング入門におすすめ「ソアレBB」
- アジングに安いおすすめモデルは?
- アジングロッドの選び方
- 月下美人のグレード解説
- ソリッド vs チューブラー:ティップの違い
ブランド比較
アジングロッド選びで多くの方が比較検討するのが、シマノの「ソアレ」とダイワ(グローブライド)の「月下美人」です。
これらはライトゲームにおける二大巨頭と言えるブランドであり、それぞれに長い歴史と独自の特徴を有しています。
ダイワが2005年に「月下美人」を先行して立ち上げ、シマノが2007年に「ソアレ」で追随した形です。
どちらもロッド、リール、ルアー、ライン、小物類まで展開する総合ブランドとして、ライトゲーム市場を牽引してきました。
どちらのブランドが優れているかは一概には言えませんが、各製品カテゴリにおける市場での印象には違いが見られます。
カテゴリ | ソアレ (シマノ) | 月下美人 (ダイワ) | 備考 |
---|---|---|---|
竿 | 4 | 6 | 入門機はソアレBBが強かった時期も。 現在は月下美人(廉価モデル)も拮抗。 高級機は月下美人が強い印象。 |
リール | 5~6 | 5~4 | ベースとなるリールの人気に左右される傾向。 シマノユーザーがやや多い印象も。 |
ルアー | 1 | 9 | 月下美人の圧勝。 ソアレのワームは店頭で見かける機会が 少ない傾向にあるようです。 ただし、ソアレワームにも名品あり(例: スローダイバー)。 |
リグ | 3 | 7 | 月下美人のジグヘッド(鉛・TG)は定番。 ソアレのTGファインヘッドも評価が高いロングセラー。 |
※点数は市場での強さの印象(合計10点)。製品の良し悪しとは必ずしも一致しません。
このように、竿やリールでは甲乙つけがたいものの、ルアーやリグ(ジグヘッドなど)においては月下美人が市場で広く受け入れられている印象があります。
一方で、ソアレの製品、特にワームなどは、その品質にもかかわらずマイナーな存在に留まっているものもあるようです。
ロッドを選ぶ際には、こうしたブランド全体の傾向や、自分がよく使うルアーやリグとの相性も考慮に入れると、より満足度の高い選択ができるかもしれません。
もちろん、最終的には個々の製品スペックやデザインの好みで選ぶことが大切です。
アジング入門におすすめ「ソアレBB」
アジングをこれから始める方にとって、シマノの「ソアレBB」シリーズは有力な選択肢の一つとなります。
その理由は、手頃な価格帯でありながら、上位機種の技術を取り入れた高い基本性能を備えている点にあります。
特に2023年にフルモデルチェンジされた「23 ソアレBB アジング」は、注目すべき進化を遂げました。
このモデルチェンジにより、従来モデルよりもさらに軽量化され、シマノ独自の強化構造「ハイパワーX」や、感度を高めるリールシート「ブリッジライクシート」、高感度ソリッドティップ「ハイレスポンスソリッド」などが搭載されています。
これらの技術は、以前は上位機種に採用されていたものであり、1万円前半という価格帯でこの性能を実現している点は驚異的と言えるでしょう。
例えば、ブランクスのネジレを抑えるハイパワーXは、キャスト精度や操作性の向上に貢献します。
また、ブリッジライクシートはリール装着時の感度伝達を高め、ハイレスポンスソリッドはアジの繊細なアタリを捉えやすくしてくれます。
ラインナップされている番手(例: S64UL-S、S610L-S)によっては、適合ルアーウェイトの幅が広く(0.5g~12gなど)、ジグヘッド単体のアジングだけでなく、少し重めのルアーを使ったライトゲーム全般に対応できる汎用性の高さも魅力です。

注意点としては、シマノのロッドは全体的に張り(硬さ)が強い傾向があると言われることがあります。
これが好みかどうかは個人差がありますが、シャープな操作感を好むアングラーには適していると言えます。
初めてのアジングロッドとして、十分な性能と扱いやすさ、そしてコストパフォーマンスを求める方には、ソアレBBは非常におすすめできるシリーズです。
アジングに安いおすすめモデルは?
アジングを始めたいけれど、最初から高価なロッドには手が出しにくい、という方も多いでしょう。
結論から言うと、1万円前後の比較的安価な価格帯のアジングロッドでも、実釣において十分な性能を持つモデルは存在します。
もちろん、数万円するハイエンドモデルと比較すれば、感度や軽さといった面で見劣りする部分はあります。
しかし、アジのアタリを感じ取り、フッキングして釣り上げるという基本的な性能においては、問題なく使えるレベルの製品が多くリリースされています。
むしろ、高価なロッドだと傷や破損を気にしてしまいがちですが、安価なエントリーモデルであれば、多少手荒に扱っても気兼ねなく釣りに集中できるというメリットも考えられます。
実際に、ハイエンドモデルを経験した上で、あえてエントリークラスのロッドを愛用し、釣果を上げているアングラーもいます。
では、具体的にどのようなモデルが候補になるでしょうか。
- ダイワ 月下美人 AJING
- シマノ ソアレBB アジング
- メジャークラフト 鯵道1G
- オリムピック コルトUX
- タカミヤ ファルケン R スクレイ(釣具店オリジナルブランド)
これらのロッドは、1万円台前半、あるいはそれ以下の価格で購入可能でありながら、アジングに必要な基本的な感度や操作性を備えていると評価されています。
例えば、「月下美人 AJING」や「ソアレBB アジング」は大手メーカーの入門モデルとして信頼性が高く、「鯵道1G」や「コルトUX」は専門メーカーならではのこだわりが感じられるコストパフォーマンスの高いモデルです。





ただし、注意点として、「安ければ何でも良い」というわけではありません。
極端に安価な製品の中には、感度が低すぎてアタリが分からなかったり、操作性が悪かったりするものも存在します。
アジングは繊細なアタリを取るゲーム性が魅力の一つですので、最低限の性能は確保したいところです。
そのため、レビューや評価を参考にしつつ、信頼できるメーカーのエントリーモデルから選ぶことをおすすめします。
アジングロッドの選び方
ダイワの「月下美人」シリーズは、アジングロッドの中でも非常に人気が高く、幅広いラインナップが魅力です。
しかし、種類が豊富なだけに、どのモデルを選べばよいか迷ってしまうかもしれません。
月下美人アジングロッドを選ぶ上で重要なのは、「自分の釣りのスタイル、目的、そして予算に合ったモデルと番手を選ぶこと」です。
まず、月下美人シリーズには、価格帯や性能によっていくつかのグレードが存在します(詳しくは次の見出しで解説します)。
予算に合わせて、どのグレードのロッドにするかを決めましょう。
次に重要なのが「番手」の選択です。
番手は、ロッドの長さ、硬さ(パワー)、そしてティップ(穂先)の種類を表しています。
- 長さ:
短いロッド(例: 5フィート台)は操作性に優れ、足元や近距離での繊細な釣りに向いています。
一方、長いロッド(例: 6フィート後半~7フィート台)は遠投性能が高く、足場の高い場所や沖のポイントを狙うのに有利です。
どちらが良いかは、主に釣りをする場所(漁港内か、堤防の外かなど)や、使用するリグ(軽量ジグ単か、キャロライナリグなど)によって変わってきます。
入門者には、操作性と遠投性のバランスが良いとされる6フィート前後の長さが扱いやすいでしょう。 - 硬さ(パワー):
UL(ウルトラライト)、L(ライト)、ML(ミディアムライト)などがあり、適合するルアーウェイトやターゲットサイズに関わってきます。
軽量なジグヘッド(1g前後)をメインに使うのであればULやLクラスが適しています。 - ティップの種類:
ソリッドティップとチューブラーティップがあります。
それぞれの特性は後述しますが、アジの吸い込むようなアタリを乗せやすいのはソリッド、アタリを明確に感じて掛けていく釣りにはチューブラーが向いているとされます。
例えば、「55UL-S」と「68L-S」を比較すると、前者は5フィート5インチのウルトラライトパワー、ソリッドティップで、近距離戦や軽量リグの扱いに特化したモデルと言えます。
後者は6フィート8インチのライトパワー、ソリッドティップで、より汎用性が高く、ある程度の遠投も視野に入れたスタンダードなモデルと考えられます。
このように、自分がどのような場所で、どのような釣り方をしたいのかを具体的にイメージし、それに合った番手を選ぶことが、月下美人アジングロッド選びの鍵となります。
月下美人のグレード解説
ダイワの月下美人シリーズには、初心者向けのエントリーモデルから、上級者向けのハイエンドモデルまで、複数のグレードが存在します。
グレードが上がるにつれて、使用される素材や搭載される技術が高度になり、それに伴って価格も上昇します。
主なグレードとその特徴を理解することで、自分の予算や求める性能に合ったロッドを選びやすくなります。
インプットされた情報や一般的なラインナップを参考に、各グレードの位置づけをまとめると以下のようになります。
グレード名 | 位置づけ | 主な特徴・搭載技術例 | 価格帯目安 | おすすめユーザー層 |
---|---|---|---|---|
AJING X | 最廉価モデル | 基本性能を重視 ブレーディングXなど | 1万円以下 | とにかく 安価に始めたい方 |
月下美人 AJING | エントリーモデル | HVFカーボン メガトップ 軽量設計 | 1万円台前半 | 初心者、 コストパフォーマンス 重視の方 |
月下美人 MX | ハイスタンダード | HVFナノプラス エアセンサーシート ステンレスSiCガイド | 2万円前後 | 中級者、 性能と価格の バランス重視の方 |
月下美人 AIR | ハイエンド | SVFカーボン AGS ゼロシート 大幅な軽量化 | 3万円台後半~ | 上級者、 軽さと感度を 追求する方 |
月下美人 EX | 最上位モデル | ESS SVFコンパイルXナノプラス V-JOINTαなど 最高技術 | 5万円台後半~ | 最先端技術を 求めるエキスパート |
※上記は一般的な傾向であり、モデルや番手によって価格や仕様は異なります。
※「AJING X」は、月下美人シリーズとは別の廉価ラインとして扱われることもあります。





エントリーモデルの「月下美人 AJING」でも、HVFカーボンやメガトップといったダイワ独自の技術が採用されており、アジングを楽しむための基本性能は十分に備わっています。
「AJING X」と比較すると、「月下美人 AJING」の方が価格差以上の性能差があると感じるユーザーもいるようです。
「MX」グレードになると、より高弾性のカーボン素材(HVFナノプラス)や感度の良いリールシート(エアセンサーシート)などが採用され、操作性や感度が向上します。
「AIR」グレードでは、軽量・高感度なカーボンガイド「AGS」や、軽量・高弾性カーボン素材「SVF」、フィット感と感度を両立するリールシート「ゼロシート」などが搭載され、ハイエンドモデルならではの軽快な使用感が得られます。
最上位の「EX」は、ダイワの持つ最新・最高の技術が惜しみなく投入されたフラッグシップモデルです。
どのグレードを選ぶかは、最終的には予算と、どれだけの性能(特に軽さや感度)を求めるかによって決まります。
初心者が最初の1本として選ぶなら、「月下美人 AJING」や「MX」あたりがバランスが良い選択肢となるでしょう。
ソリッド vs チューブラー:ティップの違い
アジングロッドを選ぶ際に、特に重要な要素の一つがティップ(穂先)の種類です。
主に「ソリッドティップ」と「チューブラーティップ」の2種類があり、それぞれ構造と特性が異なります。
どちらを選ぶかによって、アタリの感じ方やフッキングのしやすさ、得意な状況などが変わってきます。
それぞれの特徴を理解し、自分の好みやスタイルに合ったものを選びましょう。
特徴 | ソリッドティップ | チューブラーティップ |
---|---|---|
構造 | 穂先の中身が詰まっている(無垢材) | 穂先の中が空洞になっている (パイプ状) |
曲がり方 | しなやかに曲がり込みやすい | 全体的に張りがあり、 曲がり幅は比較的少ない |
得意なアタリ | 「モゾ」「フワッ」といった荷重変化、 吸い込みアタリ | 「コンッ」「カツッ」といった 反響系のアタリ |
感度 (荷重) | 優れている (穂先の曲がりで捉えやすい) | ソリッドに比べると劣る傾向 |
感度 (反響) | チューブラーに比べると劣る傾向 | 優れている (振動が手元に伝わりやすい) |
フッキング | 喰い込みが良く、 オートマチックに掛かりやすい | アタリを感じて積極的に 掛けていくスタイルに向く |
メリット | ・アタリを弾きにくい ・初心者でも扱いやすい ・食いが渋い時に有効 | ・アタリが明確に出やすい ・操作性がシャープ ・ルアーをキビキビ動かしやすい |
デメリット | ・反響感度が低い場合がある ・合わせが遅れることも | ・アタリを弾きやすい ・慣れが必要な場合がある ・荷重変化は捉えにくい |
代表的な技術例 | ダイワ: メガトップ シマノ: タフテック ハイレスポンスソリッド | シマノ: ソフチューブトップ |
ソリッドティップは、穂先がしなやかなため、アジがルアーを吸い込んだ際に違和感を与えにくく、しっかりと食い込ませやすいのが特徴です。
特に初心者の方や、アタリがあってもなかなかフッキングできないという方には、オートマチックに掛かりやすいソリッドティップがおすすめです。
また、潮の流れの変化などを穂先の曲がり具合で感じ取りやすいというメリットもあります。
一方、チューブラーティップは、穂先が中空構造で張りがあるため、アジがルアーに触れた際の微細な振動(反響)を手元で感じ取りやすいのが特徴です。
「コンッ」という明確なアタリを感じて、積極的にフッキングしていく攻撃的なスタイルに向いています。
操作性もシャープで、ルアーを自分の意図通りに動かしやすいという利点があります。
ただし、アタリを弾いてしまうこともあるため、ある程度の慣れが必要となる場合があります。
どちらのティップが良いかは、個人の感覚や好み、そして釣り場の状況(活性の高さなど)によって異なります。
インプットされた情報の中にも、チューブラーの感覚が合うと感じる人もいれば、ソリッドの方が使いやすいと感じる人もいるように、絶対的な正解はありません。
可能であれば、実際に釣具店で両方のタイプのロッドを触ってみて、曲がり方やフィーリングを比較してみることをおすすめします。
徹底 比較 ! 月下美人 ・ ソアレ の ロッド 性能
- 両ブランドの性能面の特徴
- 人気の「20月下美人」の特徴
- 月下美人:番手選びのヒント
- 感度重視?月下美人 80ML-Tの特徴
- 結局どっち?コスパ最強なのはこれ
両ブランドの性能面の特徴
シマノの「ソアレ」とダイワの「月下美人」、両ブランドのアジングロッドはそれぞれ独自の設計思想に基づいて開発されており、性能面でも特徴が異なります。
どちらが優れているという単純な比較ではなく、それぞれの特性を理解し、自分の釣りに合ったものを選ぶことが重要になります。
まず、ロッドの「調子」や「硬さ」の感覚に違いが見られることがあります。
一般的に、シマノのロッドは全体的に張りがあり、シャキッとした使用感を持つモデルが多いと言われています。
これは、ブランクスのネジレを抑える「ハイパワーX」や「スパイラルX」といった構造によるところが大きいと考えられます。
一方、ダイワのロッドは、しなやかさを持ち合わせ、魚の引きに追従するような調子のモデルも多くラインナップされています。
次に「感度」に対するアプローチも異なります。
シマノは「カーボンモノコックグリップ」や「ブリッジライクシート」など、グリップ周りの構造で感度を高める技術を採用しているモデルがあります。
また、穂先には「タフテック」や「ハイレスポンスソリッド」といった高感度ソリッドティップや、しなやかさと感度を両立する「ソフチューブトップ」などがあります。
ダイワは、軽量・高感度なカーボンガイド「AGS(エアガイドシステム)」を上位機種に搭載している点が特徴的です。
穂先には、高強度・高感度ソリッド「メガトップ」などが採用されています。
軽さも重要な要素です。
両ブランドとも軽量化には力を入れており、特に上位機種では驚くほど軽いモデルが登場しています。
例えば、月下美人AIRシリーズではAGSガイドの採用などにより、大幅な軽量化を実現しています。
ソアレシリーズもCI4+素材のリールシートなどで軽量化を図っています。
以下に、両ブランドの代表的な技術やコンセプトを比較してみましょう。
項目 | ソアレ (シマノ) | 月下美人 (ダイワ) | 備考 |
---|---|---|---|
ブランクス構造 | ハイパワーX スパイラルX スパイラルXコア | HVF/SVFカーボン X45/X45X V-JOINTα など | ねじれ抑制や パワー向上のための技術 |
グリップ/シート | カーボンモノコック グリップ ブリッジライクシート CI4+ | エアセンサーシート ゼロシート など | 感度向上や軽量化 フィット感を追求 |
ガイドシステム | Xガイド (上位機種) | AGS (上位機種) | 軽量・高感度化に貢献 |
穂先 (ソリッド) | タフテック ハイレスポンスソリッド | メガトップ | 食い込みの良さや 微細なアタリを捉える |
穂先 (チューブラー) | ソフチューブトップ | (モデルによる) | 反響感度や操作性を重視 |
全体のフィーリング | 張りがありシャープな 印象のモデルが多い | しなやかさを 持ち合わせる モデルも多い | あくまで一般的な傾向であり、 モデルによる |
このように、シマノとダイワでは、それぞれ異なるアプローチでロッド性能を高めています。
どちらの性能が自分に合っているかは、実際にロッドを手に取ってみたり、レビューを参考にしたりして判断するのが良いでしょう。

人気の「20月下美人」の特徴
ここで言う「20月下美人」とは、主に2020年以降にリニューアルされたダイワのエントリークラス「月下美人 AJING」(品番末尾に・Rや・Nが付くモデル)を指すと考えられます。
このシリーズは、アジング入門者を中心に非常に人気が高く、コストパフォーマンスに優れたロッドとして評価されています。

その特徴は、まず手頃な価格でありながら、上位機種の技術や設計思想が取り入れられている点です。
具体的には、軽量で感度の高い「HVFカーボン」をブランクス素材に採用し、アジングロッドとしての基本性能を高めています。
また、穂先にはダイワ独自の高強度・高感度ソリッドティップ「メガトップ」を搭載(ソリッドティップモデルの場合)。
これにより、アジの繊細なアタリを捉えやすく、食い込みの良い調子を実現しています。
デザイン面も人気の理由の一つです。
月下美人シリーズ共通のブラックとレッドを基調としたカラーリングは、他のロッドにはない個性的な魅力を放っており、所有感を満たしてくれます。
グリップ周りも握りやすいコンパクトな設計になっており、操作性の向上に貢献しています。
さらに、この価格帯でありながら軽量設計が施されている点も見逃せません。
例えば、5フィート台のモデルでは自重が50g台と、上位機種に迫る軽さを実現している番手もあります。
軽いロッドは長時間の釣りでも疲れにくく、集中力を維持しやすいというメリットがあります。
注意点としては、最上位機種と比較すると、やはり素材やガイドなどのパーツはコストが抑えられています。
そのため、究極の感度や軽さを求める場合には物足りなさを感じる可能性はあります。
しかし、アジングをこれから始める方や、手軽に本格的なアジングを楽しみたい方にとって、「20月下美人」ロッドは、性能、デザイン、価格のバランスが取れた、非常におすすめできる選択肢と言えるでしょう。
月下美人:番手選びのヒント
月下美人シリーズには多様な番手が存在し、それぞれ長さ、硬さ、ティップの種類が異なります。
自分の釣りスタイルやフィールドに最適な一本を選ぶために、番手の見方と選び方のヒントを解説します。
番手表記は通常、「(例)68L-S」のように表されます。
- 最初の数字(68):
ロッドの長さをフィート・インチで表します。
この場合、6フィート8インチ(約203cm)です。 - 中間のアルファベット(L):
ロッドの硬さ(パワー)を表します。
UL(ウルトラライト)< L(ライト)< ML(ミディアムライト)の順に硬くなります。 - 最後のアルファベット(SまたはT):
ティップ(穂先)の種類を表します。
Sはソリッドティップ、Tはチューブラーティップです。
これらの組み合わせによって、ロッドの特性が決まります。
以下に、長さ、硬さ、ティップと主な用途の目安を示します。
長さ | 主な用途 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
5ft台 | 漁港内の常夜灯周り 足元狙い 軽量ジグ単の操作性重視 | 高い操作性、 感度(ダイレクト感) | 遠投性能は低い 足場の高い場所は不向き |
6ft台 | 最も汎用性が高い 漁港~堤防 ジグ単~軽量プラグ スプリット | 操作性と遠投性の バランスが良い | 特化した性能では 他に劣る場合あり |
7ft台以上 | 足場の高い堤防 遠投が必要なポイント キャロ フロート メタルジグ | 高い遠投性能 パワーがある | 操作性は低下 軽量リグは扱いにくい |
硬さ (パワー) | 主な使用リグ | ターゲットサイズ目安 |
---|---|---|
UL (ウルトラライト) | 1g前後の軽量ジグヘッド単体 | 豆アジ~20cm前後 |
L (ライト) | 1g~3g程度のジグヘッド単体 軽量プラグ、スプリット | 25cm前後まで |
ML (ミディアムライト) | やや重めのジグヘッド キャロ フロート メタルジグ | 尺アジ、不意の大物 |
ティップ | 特徴 | おすすめの釣り方 |
---|---|---|
S (ソリッド) | しなやかで食い込みが良い 荷重変化に強い | 吸い込みアタリを乗せる釣り 低活性時 初心者向け |
T (チューブラー) | 張りがあり反響感度が高い 操作性が良い | アタリを感じて掛ける釣り リアクション狙い |
例えば、「510UL-S」なら、漁港内で軽量ジグ単を使い、豆アジの繊細なアタリを乗せていく釣りに最適です。
「68L-S」は、最もスタンダードな番手の一つで、様々な場所でジグ単を中心に幅広く使えます。
「78ML-S」や「80ML-T」のようなモデルは、遠投してキャロライナリグやフロートリグで沖の深場を探ったり、メタルジグで広範囲を探ったりする釣りに向いています。
このように、自分がメインとする釣り場や釣り方を具体的にイメージし、それに合った長さ、硬さ、ティップを組み合わせた番手を選ぶことが、快適なアジングへの近道となります。
感度重視?月下美人 80ML-Tの特徴
月下美人シリーズのラインナップに含まれる「80ML-T」という番手は、そのスペックから特定の用途に特化したモデルと考えられます。
この番手の特徴を理解することで、どのような状況でその性能が活かせるのかが見えてきます。
まず、「80」という数字は、8フィート(約244cm)という長さを表します。
これはアジングロッドとしてはかなり長い部類に入り、最大のメリットは高い遠投性能です。
軽いジグヘッドを遠くに飛ばすのは難しいですが、ある程度の重さがあるキャロライナリグやフロートリグ、メタルジグなどを沖のポイントまで届ける能力に長けています。
次に「ML」はミディアムライトパワーを意味します。
これは、比較的重めのリグ(例えば2g~15g程度に対応するモデルが多い)を扱いやすく、また、良型のアジや不意に掛かるシーバスなどの外道とも安心してやり取りできるパワーを備えていることを示します。
そして最後の「T」はチューブラーティップを搭載していることを表します。
前述の通り、チューブラーティップは中空構造で張りがあり、反響感度に優れています。
つまり、遠投した先での「コンッ」といった明確なアタリや、ルアーがボトム(海底)に接触する感覚などを手元で捉えやすいという特徴があります。
この点が「感度重視?」という問いに対する一つの答えになります。
ただし、ここで言う感度は主に「反響感度」であり、ソリッドティップが得意とする「荷重変化の感度」とは異なります。
これらの特徴を総合すると、「月下美人 80ML-T」は、足場の高い堤防や磯、サーフといった開けた場所で、キャロライナリグ、フロートリグ、メタルジグなどを遠投し、沖の深場や潮目を攻略するためのロッドと言えます。
チューブラーティップの高感度を活かして、遠距離でのアタリを明確に捉え、積極的に掛けていくスタイルに適しています。
一方で、デメリットとしては、その長さゆえに近距離での操作性や取り回しは劣ります。
また、1g以下の軽量ジグヘッド単体のような繊細な釣りにはあまり向きません。
感度重視という側面はありますが、それは遠投先での反響感度であり、軽量リグの操作感や吸い込みアタリの捉えやすさとはトレードオフになる点を理解しておく必要があります。

結局どっち?コスパ最強なのはこれ
これまでシマノ「ソアレ」とダイワ「月下美人」を中心に比較してきましたが、「結局、コストパフォーマンスが最も高いアジングロッドはどれなのか?」という点が気になる方も多いでしょう。
絶対的な1本を断定するのは難しいですが、提供された情報や市場での評価を踏まえると、複数の候補が「コスパ最強」として挙げられます。
重要なのは、単に安いだけでなく、価格に対して十分な性能、特にアジングで重要な「感度」や「操作性」を備えていることです。
安価すぎるとアタリが分からず釣りの楽しみが半減してしまう可能性もあるため、「安物買いの銭失い」にならない選択が求められます。
その上で、コストパフォーマンスに優れると評価されている主なロッドをいくつか紹介します。
モデル名 | メーカー | 価格帯目安 | 主な特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|---|
鯵道5G | メジャー クラフト | 2万円前後 | 上位素材(T1100G)採用 高感度 張りがある | 感度と操作性を重視 掛ける釣りを楽しみたい 中級者以上 |
鯵道1G | メジャー クラフト | 1万円台前半 | 鯵道5Gのコンセプト継承 価格を抑えつつ 基本性能を確保 | 鯵道5Gに興味があるが 予算を抑えたい方 |
コルトUX | オリムピック | 1万円台後半 | 軽量ブランクス 高感度、 ランクスメーカー ならではの性能 | 軽量・高感度を重視 価格以上の性能を求める方 |
ソアレBB アジング | シマノ | 1万円台前半 | ハイパワーXなど 上位技術搭載 軽量 汎用性が高い | シマノ派 1本で色々やりたい 初心者~中級者 |
月下美人 AJING | ダイワ | 1万円台前半 | HVFカーボン メガトップ搭載 軽量 デザイン性が高い 入門の定番 | ダイワ派 デザインも重視したい初心者 |
ソルティー ステージ プロトタイプ | アブガルシア | 2万円前後 | カーボン100%のタフ製法 高感度、軽量 | 感度とシャープさを重視 アブガルシア派 |
宵姫 爽 | がまかつ (ラグゼ) | 2万円前後 | チタンガイド 繊細なソリッドティップ 軽量ジグヘッド特化 | 1g以下のリグを多用 乗せる釣りを好む方 |
これらのロッドは、1万円台から2万円台前半という価格帯でありながら、それぞれに特徴的な強みを持っています。
例えば、「鯵道5G」は、本来なら3~4万円クラスのロッドに採用されるような高性能カーボン素材を使用しており、感度と張りを重視するアングラーから高い評価を得ています。
その廉価版である「鯵道1G」も、基本的な設計思想を受け継ぎつつ価格を抑えた注目のモデルです。
「コルトUX」は、ロッドブランクスメーカーであるオリムピックが手掛けており、価格に対する性能の高さ、特に軽さと感度に定評があります。
そして、二大ブランドのエントリーモデルである「ソアレBB アジング」と「月下美人 AJING」は、それぞれ上位機種から受け継いだ技術(ハイパワーXやHVFカーボンなど)を搭載し、安定した品質と性能、そして入手しやすさが魅力です。







どちらを選ぶかは、最終的に個人の好みや重視するポイントによって変わってきます。
- とにかく感度とシャープさを求めるなら:
「鯵道5G」
「ソルティーステージ プロトタイプ」 - 感度も欲しいが予算も抑えたいなら:
「鯵道1G」
「コルトUX」 - バランスの良さと信頼性を求めるなら:
「ソアレBB アジング」
「月下美人 AJING」 - 軽量ジグヘッドでの乗せる釣りがメインなら:
「宵姫 爽」
これらの情報を参考に、ご自身の予算、釣り場の状況、好みの釣りスタイル(掛け調子か乗せ調子か)、そしてデザインなどを考慮して、最適な「コスパ最強」ロッドを見つけてください。
どのロッドを選んだとしても、きっとアジングの楽しさを十分に味わえるはずです。
月下美人 ・ ソアレ 比較 ! ロッド 選びの総括ポイント
次のように記事の内容をまとめました。
- ソアレ(シマノ)と月下美人(ダイワ)はアジングにおける二大ブランドである
- ブランドイメージでは、竿やリールは拮抗するも、ルアーやリグは月下美人が強いとされる
- ソアレBBは手頃な価格ながら上位技術を搭載し、アジング入門におすすめである
- 1万円前後の比較的安価なロッドでもアジングは十分に楽しめるモデルが存在する
- 月下美人ロッドを選ぶ際は、予算に応じたグレードと、釣り方に合った番手(長さ・硬さ・ティップ)の選択が重要だ
- 月下美人には入門用の「AJING」から最上位「EX」まで、幅広いグレードが用意されている
- ティップは、乗せやすい「ソリッド」と、掛けやすい「チューブラー」があり、好みに応じて選ぶ
- ロッド性能の傾向として、シマノは張りがありシャープ、ダイワはしなやかさも持ち合わせる
- 感度へのアプローチは、シマノがグリップ周りの構造、ダイワがAGSガイド(上位機種)などで特徴を出している
- 「20月下美人 AJING」は、HVFカーボンやメガトップを採用した人気の高いエントリーモデルである
- ロッドの番手は、釣り場(近距離/遠投)、使用リグ(軽量/重め)、釣法(乗せ/掛け)を考慮して選ぶ
- 月下美人 80ML-Tのようなロング・パワフルなチューブラーモデルは、遠投や重めのリグに適している
- リールも両ブランドから専用モデルが展開されており、軽さやドラグ性能が選択のポイントとなる
- コストパフォーマンス最強ロッドは一概に決められず、重視する性能や予算によって候補が変わる
- 鯵道シリーズ、コルトUX、ソアレBB、月下美人AJINGなどが、コスパに優れたモデルとして挙げられる